内容も見ずに買った本で、ゼロ戦を描いた小説とは知らずに読み始めた。
あまり興味がない内容だったが、読み進めるうちにどんどん引き込まれる。現代に生きる孫が第二次世界大戦当時特攻隊で亡くなった祖父を知るために当時の戦友を尋ねて歩くというスタイルだが、最初はノンフィクションかと思ったくらい、第二次世界大戦当時の様子が詳細に語られている。当時如何に愚かな人たちが日本の行く末や戦争の勝敗さえ関係ないところで、如何に愚かに日本軍を率いていたかが本当に緻密に描かれている。
もう一点感心したのは、現代に主人公が辿る卑怯とまでそしられても生き延びることに執着したすご腕の祖父と最後に特攻隊として米軍に突入していった祖父像とのギャップを埋めるミッシングリンクをうめる道のり。ある種推理小説のようなそのギャップを徐々に解いていくというスタイルは600ページをあっという間に読ませてしまう。
当時の27歳っていろいろと大人だったのだね。
大事に想う人への思いを如何に自身に偽りなく行動で示せるかというのは、こういう公に想いを語ることが憚られる状況で主人公は何を思い生きていただろうと思うと心が一杯になる。特に最近は。最後はもうひたすら涙。フライト中で不審に思われたけれど。
永遠の0 (ゼロ) 百田 尚樹
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