スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

ラベル(Books)が付いた投稿を表示しています

Fruitless Fall

日本語タイトルは『ハチはなぜ大量死したのか』。原題の『実りなき秋』のほうが絶対によいと思うのだが。1962年に出版された鳥たちが鳴かなくなる春が来るという農薬の危険を訴えたレイチェル・カーソンの著書『沈黙の春 Slient Spring』を意識してると思われるので残念。 ある日突然、ミツバチが巣箱から消えてしまうという蜂群崩壊症候群(CCD)が2006年前後から世界中で起きている。北半球の3分の2のミツバチが消えたとも言われているが、本書はその原因を一つ一つ検証している。 植物の進化とミツバチの生態、養蜂の歴史、今のアメリカの農業の実態、養蜂の現代の実態を描いているが、内容も興味深く、科学ノンフィクションにもかかわらず美しい比喩と推理小説のような展開で読ませる文章を素晴らしい。翻訳のレベルも高い。 読み進めていくと、工業化した農業に頼っている実態、ここでも依存している品質の無視の汚染された中国の蜂蜜の流通、自然界のバランスの崩壊など背筋が寒くなる。結局CCDの原因は明らかにならないが、上記のような過剰なまでの工業化が自然界では動的平衡を決定的に崩壊させているのではというメッセージには素直に納得できる。 科学ノンフィクションとしては出色で、現代のシステムを考えさせられる良書。 ハチはなぜ大量死したのか (文春文庫) posted with amazlet at 11.08.12 ローワン ジェイコブセン 福岡 伸一 文藝春秋 (2011-07-08) 売り上げランキング: 19817 Amazon.co.jp で詳細を見る

ロスト・シンボル

ロバートラングドンシリーズの3作目。 前々作の『天使と悪魔』では「イルミナティ」、『ダ・ヴィンチ・コード』では「聖なる血筋」、今回は「フリーメイソン」が主題。 基本的なプロットは似たようなものだけれど、それでも面白いと思える豊富なウンチクと展開はさすが。1ドル札の話などフリーメイソンに関わる伝承や有名な俗説をどう扱うんだろうと思って読み進めた。扱うと俗になってしまうし、無視すると不自然だなぁと思っていたら、見事な使い方でよい意味で裏切られた。 美術史やフリーメイソンに関わるウンチクにくわえて、純砕知性科学やら最新の科学の領域の話もありどこまでがフィクションでどこまでが事実か区別がつかないくらいよくできている。 エンディングがちょっと間延びしてたり、日本人的には究極の宝が「それ?」って気抜けしたり、入れ墨男の正体が途中でバレバレだったり、ラングトンのあれで生き返るのは反則だろうとか、突っ込みたいところはたくさんあるのだけれど、やっぱり面白い。映画も楽しみ。 ロスト・シンボル 上 posted with amazlet at 11.05.16 ダン・ブラウン 角川書店 (2010-03-03) 売り上げランキング: 8032 Amazon.co.jp で詳細を見る ロスト・シンボル 下 posted with amazlet at 11.05.16 ダン・ブラウン 角川書店 売り上げランキング: 4594 Amazon.co.jp で詳細を見る

『阪急電車』

関西圏以外の人にはわかりづらいけれど、阪急電車ってのは独特のおもむきがある。その中でも、宝塚線を選ぶ作者のセンスはすごいなぁ。学生時代は神戸線だったけれど、なんかだ北口とか懐かしかった。 阪急電車 (幻冬舎文庫) posted with amazlet at 11.02.24 有川 浩 幻冬舎 (2010-08-05) 売り上げランキング: 415 Amazon.co.jp で詳細を見る ほっこりと幸せになりたい人は読むとよいです。 映画化されるらしいけれど、有名俳優じゃなくてエキストラさんとかでやるとよい映画になるかもと思わせる本です。

武士道セブンティーン

武士道セブンティーン (文春文庫) posted with amazlet at 11.02.15 誉田 哲也 文藝春秋 (2011-02-10) 売り上げランキング: 250 Amazon.co.jp で詳細を見る 青春が一体何歳から何歳までか知らんが、セブンティーンがまっただ中であることに文句はなかろう。 ということでド青春ものです。前作『武士道シックスティーン』で福岡の中学に転校してしまった早苗と横浜?の高校に残り成長した香織の次の1年を描いた作品。 警察小説で堅いイメージのある誉田 哲也がよくもこんな軽妙なタッチの会話を書けるものだと、ファンとしては楽しめる。香織や早苗のボヤキなんかは実際に女子の中学生や高校生の知りあいの愚痴に言葉遣いや言い回しなどそっくりでリアル。 今回は一部福岡の高校が舞台になる。太宰府辺りの高校らしく、以前住んでいたのでとても懐かしく読めた。そう言えば剣道盛んだったなぁ。

少女ノイズ

書店で時間潰しに適当に買った本。丁度、ノイズキャンセルのヘッドフォンを買おうかと思っていたこともあり。 ミステリにカテゴライズされる作品なのだろうが、確かにミステリ部分はなかなか。凝ったトリックの謎解きより、明かされる動機の意外性とその納得感のバランスのよさかな。 ミステリ部分もスゴイが底辺にあるのはボーイ・ミーツ・ガール。 冴えない主人公は本来なら少女に翻弄されるはずが、成就を目的とした恋を飛び越えて「叶わなくても単体で成立しうる愛」の境地に一気に行ってしまったがために、実は早々に立場が逆転して頭脳明晰でしかも美少女に主人公?がツンデレるという図。もちろん、即物的なやりとりなど何も描かれていないが。 という解説は、今はすごく腑に落ちる。 少女ノイズ (光文社文庫) posted with amazlet at 11.02.02 三雲 岳斗 光文社 売り上げランキング: 136316 Amazon.co.jp で詳細を見る

2010年何読んだかなぁ

2010年の読書メーター 読んだ本の数:20冊 読んだページ数:7407ページ 意外に読んでないな。詳細は「もっと読む」で。

「これから正義の話をしよう」を買う

帰省したときにNHKでマイケル・サンデルの講義が数階にわけてやっていたので、録画した。昼間から深夜まで一人で酔っぱらっていたので残念ながら視聴できていない。でも、自分はともかく回りは今年はこういうこと考える年になりそうなので買ってみた。 それにしても喉の調子が悪い。 これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学 posted with amazlet at 11.01.03 マイケル・サンデル Michael J. Sandel 早川書房 売り上げランキング: 5 Amazon.co.jp で詳細を見る

告白

フライト中に読もうと買った本だが、3時間のフライトで読み切ってしまった。 冒頭は子供を亡くした女性教師の終業日のホームルーム。自分の子供を殺したのがそのクラスの生徒であることを淡々と話し始める。各章はモノローグ形式となっていて、あるモノローグに登場した人物が次のモノローグを語っていくというスタイル。それぞれが語る話が繋がっていて、読み進めるに従って次々と新たな事実が明かされる。 読後感は爽やかとは程遠い。というか、なんの解決も救いもないまま、バッサリと物語は終わる。この作者のデビュー作らしいが、この結末を書ける勇気と思い切りにこの作者の力量を感じる。 久し振りに、もう一度読み返したいと思った本だった。 告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1) posted with amazlet at 10.08.18 湊 かなえ 双葉社 売り上げランキング: 76 Amazon.co.jp で詳細を見る

SF作家ジェイムズ・P・ホーガン 逝去

  ちょっと遅くなりましたが。 SF作家のジェイムズ・P・ホーガンが、現地時間7月12日(月)、アイルランドの自宅で逝去しました。69歳でした。 引用元: SF作家ジェイムズ・P・ホーガン 逝去|お知らせ|東京創元社 大好きな作家の1人でした。 特に『 星を継ぐもの 』から始まる『 ガニメデの優しい巨人 』、『 巨人たちの星 』と続く3部作は今でもお気に入りです。第一作でひたすら科学的探求だけでわくわくさせてくれた最後にふっと時空を超えて「チャーリー」の仲間と登場させ、続く2作からのその構想の大きさ、独創性、面白さは第一作以上でした。これを超えるSF小説にまだ出会えていません。 一時ちょっとポリティカルな作品に走っていましたが、『 創世記機械 』に代表されるような、彼の楽天主義的科学信奉的なハッピーエンドな作品はとても好きでした。 もう新しい作品が読めないかと思うと残念ですが、まだ読んでいない作品がいくつかあるので読んでいきたいと思います。 ご冥福をお祈りいたします。 div class="amazlet-box" style="margin-bottom:0px;"> 星を継ぐもの (創元SF文庫) posted with amazlet at 10.07.26 ジェイムズ・P・ホーガン 東京創元社 売り上げランキング: 178 おすすめ度の平均: 良質のミステリー 実現可能な未来の延長戦上にありそうな話 史上最大の物理トリック 研究室の隅の方で 度肝を抜かれる面白さ! Amazon.co.jp で詳細を見る

四畳半神話大系

「薔薇色のキャンパスライフ」という言葉があるが、大学時代というのは、特に男子はこの言葉と現実の自分の学生生活のギャップに一度は思い悩むもの。 この物語は、同様におよそ有意義とは縁のない不毛な生活を送っている大学生の主人公が、入学当時に選択し得た映画サークル「みそぎ」、ソフトボールサークル「ほんわか」、「弟子求む」、秘密機関「福猫飯店」、それぞれ選択でどのような大学生活を送ったかを4つの短編として描いたもの。並行世界を描いたとも言える? 「薔薇色のキャンパスライフ」を夢見る主人公は、結局どの選択においても悪の親友「小津」に汚染され、師匠に振り回され、不毛なドタバタを繰り返すと言う結果が待っているのだが。 師匠が吐いた「可能性という言葉を無限定に使ってはならない。我々という存在を規定するのは、我々が持つ可能性ではなく、我々が持つ不可能性である」という台詞はこの小説のテーマをよく表していると言える。主人公と「小津」を思うとき、「こうではなかった自分」を夢想するのがどれほどで無駄であるか、思い至るでしょう。「こうでしかありえなかった自分」を謙虚に受け入れさえすれば、糞の様な退屈な仕事は楽しい黄金のゲームとなり、腐れ縁は一生の友となる。 この小説には作中に出てくる「明石さん」の台詞がふさわしいでしょう。 「また阿呆なもの作りましたね」 四畳半神話大系 (角川文庫) posted with amazlet at 10.07.03 森見 登美彦 角川書店 売り上げランキング: 77 Amazon.co.jp で詳細を見る

永遠の0(ゼロ)

  内容も見ずに買った本で、ゼロ戦を描いた小説とは知らずに読み始めた。 あまり興味がない内容だったが、読み進めるうちにどんどん引き込まれる。現代に生きる孫が第二次世界大戦当時特攻隊で亡くなった祖父を知るために当時の戦友を尋ねて歩くというスタイルだが、最初はノンフィクションかと思ったくらい、第二次世界大戦当時の様子が詳細に語られている。当時如何に愚かな人たちが日本の行く末や戦争の勝敗さえ関係ないところで、如何に愚かに日本軍を率いていたかが本当に緻密に描かれている。 もう一点感心したのは、現代に主人公が辿る卑怯とまでそしられても生き延びることに執着したすご腕の祖父と最後に特攻隊として米軍に突入していった祖父像とのギャップを埋めるミッシングリンクをうめる道のり。ある種推理小説のようなそのギャップを徐々に解いていくというスタイルは600ページをあっという間に読ませてしまう。 当時の27歳っていろいろと大人だったのだね。 大事に想う人への思いを如何に自身に偽りなく行動で示せるかというのは、こういう公に想いを語ることが憚られる状況で主人公は何を思い生きていただろうと思うと心が一杯になる。特に最近は。最後はもうひたすら涙。フライト中で不審に思われたけれど。 永遠の0 (ゼロ) 百田 尚樹   太田出版 2006-08-24 売り上げランキング : 10213 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools 

音を大きくする本

昔のCDなんかを聞いていると音を小さく感じることはないだろうか? あれは音圧が違うから。 この本は以下にうまく音圧を上げていくかを解説した本。 具体的にはコンプレッサー、リミッター、イコライザーを中心にそのノウハウが丁寧に解説されている。 自宅録音など始めると、どのエフェクトのどのパラメータを変えればよいか段々わからなくなってくるが、アタックやリリース、レシオなどを音圧が上がってると感じるために設定する数値の最大値を示して、そこからどう調整いくかが示されおり、初心者にもわかりやすい。どういった音が正解で、アナライザーやメーターにどう反映されるか、や、可聴域を超える音の影響とその処理など、他ではなかなか解説されない実践的な内容が書かれている。 音圧を上げるというのはダイナミックレンジを狭めていくことなので、むやみやたらと音圧を上げていく最近のJ-Popの傾向はどうかと思うが、確かにJ-WaveなどFMラジオの音楽番組ではうまくコンプレッサーを掛けていて、聞きやすいし昔は恰好良いなと感じていた。生音のクラシックでもない限り、こういった処理をすると格段に音がよくなったように聞こえるので、自宅録音などやってる人は一読を。 そういったマニアでなくても、昔の音楽と最近の音楽をiPodなんかでシャッフルして聞いて違和感を覚えている人は、こういった処理をやって音圧をそろえてあげると、ぐっと聞きやすくなるよ。   音を大きくする本 (Stylenote Nowbooks3) posted with amazlet at 10.05.21 永野 光浩 スタイルノート 売り上げランキング: 781 Amazon.co.jp で詳細を見る

鹿男あをによし

『 武士道シックスティーン 』に続いて、剣道ものが読みたくなって手にした『 鹿男あをによし 』。 『武士道シックスティーン』のほうは本当に剣道を中心にティーンの成長を描いていたが、こちらは剣道のほうはとりあえず同様に試合に向けて盛り上がる、しかも日本の存亡を賭けた試合……  だが、剣道自体は脇役で、神様やら鹿やらの話のほうがメインとなる。 舞台が奈良で、実家近くのローカルネタやら歴史の話が出てきて楽しめました。奈良もすてたものではないなと。 そう言えば、2008年に玉木 宏主演でドラマ化されていたな 鹿男あをによし posted with amazlet at 10.05.16 万城目 学 幻冬舎 売り上げランキング: 29880 Amazon.co.jp で詳細を見る 鹿男あをによし DVD-BOX ディレクターズカット完全版 posted with amazlet at 10.05.16 ポニーキャニオン (2008-07-16) 売り上げランキング: 2746 Amazon.co.jp で詳細を見る

春を嫌いになった理由

"春を嫌いになった理由" (誉田 哲也) 誉田 哲也の新しい文庫『 春を嫌いになった理由 』。 この作家は警察小説というイメージが強いが、『 武士道シックスティーン 』を見てもわかるようにそのジャンルは広い。今回は珍しいホラーサスペンスだが、彼のデビュー作がホラーだったことを考えるとこういったジャンルは実は好きなのだろう。 物語は主人公の瑞希と中国からの密入国者、さらにもう1人主人公の関わってるテレビ番組を茶の間で見てるらしき視聴者の男性、一見無関係な3つのストーリーがカットバックしながら進んでいく。ギャグ交じりの主人公側のノリと、かなりシリアスな密入国者の展開、時折出てくる視聴者の妻とのやり取り、これらが一体どこで関わっていくのか謎が最後まで読者を引き込んでいく。 この謎解きのほうは途中からなんとなく予想がつくのだが、主人公のトラウマに関する謎解きが「そうくるか!」ってちょっと反則っぽい展開…… まぁ、だからホラーなのだが。 超能力者により事件を解決するという主人公の叔母がプロデューサーをつとめる架空の番組が舞台となっているが、下敷きにされているのは実在の『 テレビのちから 』という番組。国外活動を禁止されているはずのFBIで捜査官をやってるとかいう超能力者とかで出てきて、怪しさ満載で批判も多い番組だった。そんな番組をモチーフに当時即座取り込んで作品を書き上げていたとは、やはりこの作者ただ者ではない。

武士道シックスティーン

警察小説で最近注目の誉田 哲也が青春モノを書くとどうなるのか興味があって購入した『 武士道シックスティーン 』。近く 映画化 もされるらしい。 もっとも、少女を扱った青春モノとしては『 疾風ガール 』もあるが、今回は舞台も高校のクラブということで、より本格的な青春モノになっているはず……と期待。 剣道を斬るか斬られるかの武士道と言い切る香織、日舞の替わりに剣道を始めた早苗と、剣道への取り組みも性格も対照的な二人が交互に語る形式で綴られている。お互いに反発し影響しあいながら、それぞれの境地に至るまでの過程は、好きことを見つける素晴らしさがすんなりと心に届いた。佳作だと思う。 どこかで読んだ気がしたと思いながら読んでいたが、同作者の『ジウ』だ! この二人の設定はまるでジウの伊藤基子と門倉美咲そのものだね。 ただ、本作のほうが二人の心の動きには共感できる。 武士道シックスティーン posted with amazlet at 10.02.21 誉田 哲也 文藝春秋 売り上げランキング: 7862 Amazon.co.jp で詳細を見る

見知らぬ明日

見知らぬ明日―グイン・サーガ〈130〉 (ハヤカワ文庫JA) posted with amazlet at 10.01.04 栗本 薫 早川書房 売り上げランキング: 675 Amazon.co.jp で詳細を見る 遂に最終巻『 見知らぬ明日―グイン・サーガ〈130〉 (ハヤカワ文庫JA) 』。書店で手に取って、通常の半分のその薄さが悲しい 前半、前巻までのヤガから一変してパロに舞台が移り、ひらすら悩むヴァレリウスが描かれている。そして恐らく後半はまた拉致されたフロリーから始まるヤガに舞台を戻すところで「未完」の文字。 物語のほうは、イシュトヴァーンからグインがケイロニアで愛妾を得たとの情報がもたらされる。恐らく、ヴァルーサのことを指していて、外伝一巻の『 七人の魔道師 』が丁度完結したあたりだとわかる。まぁ、えらく堅物に描かれていた直前のグインの様子から、「俺の子を生め!」と勢いでヴァルーサを側女にしてしまう外伝のグインのキャラは随分とギャップを感じるが、25年近い年月を隔てて書かれたものだから仕方がないか。 予定されていた最終巻『豹頭王の花嫁』に到達できなかったのは本当に残念です。誰かこの後を紡いでくれる作家がいるだろうか。個人的には後半のイシュトの不穏な動きだけでもスッキリとさせておきたい。 七人の魔道師―グイン・サーガ外伝(1) (ハヤカワ文庫JA) posted with amazlet at 10.01.04 栗本 薫 早川書房 売り上げランキング: 38791 Amazon.co.jp で詳細を見る

ソウルケイジ

ソウルケイジ (光文社文庫) posted with amazlet at 10.01.02 誉田 哲也 光文社 売り上げランキング: 1787 Amazon.co.jp で詳細を見る 姫川シリーズ第二弾。 スティングの同名の曲を連想したが、テーマも父性ということで作者も意識してのタイトルだろう。だが、前作「ストロベリーナイツ」ほど猟奇的なシーンもなく、軽く読めるが前作ほどのテンポはない。 井岡や監察医の國奥、上司今泉、ガンテツなど、映画化した映像が浮びそうなくらいキャラが生き生きと確立しつつあるが、その中で菊田は刑事に居そうなキャラではあるが、玲子との関係はなぜかしっくいこないし感情移入できない。 作中、和田捜査一課長と西脇刑事部長など「ジウ」に登場した人物がさらりと出てくる。ということは、この作品は「ジウ」とのリンクもありだろうか。と言っても、あちらは主人公の一人が既に死んでいるので発展ないだろうが。

夜にはずっと深い夜を

鳥居みゆきのはじめての書き下ろし『 夜にはずっと深い夜を 』を購入。 "夜にはずっと深い夜を" (鳥居みゆき) ライブでの鳥居みゆきのノリをそのまま文章にしたものだと思えばよい。 不条理な黒い笑い。 「不条理さ」は彼女のシュールな感覚と、言葉遊びからの脈絡の無さによる。言葉遊びは語感からの連想による意味の飛躍と、前段の脈絡に関係なく特定の語だけにこだわった連想によるストーリーの転換と二つの技法によって成立している。 そして、死、不幸、狂気、世のタブーを意識して題材として取り上げ、笑って見せるところに「黒さ」がある。 文才があるかどうかは別にして、ティーンのころの自分の文章ってこんな感じだったのかなぁと懐かしく思う。ファンならば彼女のネタ帳をのぞき見てるような感覚を楽しめるぞ。

十二国記

月の影 影の海〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート posted with amazlet at 09.11.29 小野 不由美 講談社 売り上げランキング: 7731 Amazon.co.jp で詳細を見る 昔小野 不由美の『 屍鬼 』を大変気に入ったので、この作者のライフワークである十二国記シリーズも読もうかと思ったのだが、たぶんティーンの少女向けのホワイトハート文庫でその表紙のイラストなど見て止めた。最近会社の同僚から再び勧められたので読んでみた。 『 屍鬼 』とは全く文体も違うスタイルで語られ、ジャンルもホラーでなくファンタジー。 現世と違う世界に12の国からなる世界があり、そこは慈悲の動物である麒麟が王を選ぶ。物語は誤って現世に流された王や麒麟が帰還する話やその後国をどう統べるかを描いたもの。物語は一応同じ世界を描いているが、各巻は独立しており個別にも読んでいける。 思った以上に嵌ったが、最後の巻は中途半端で終わっていて七年間新作が出ていないとのこと! 最近連載がどこかで始まったらしいがちょっと心配。少女っぽい装丁が気になる方は、講談社から普通の文庫でも出ているので、こちらを購入するとよい。 月の影 影の海〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート 月の影 影の海〈下〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート 風の海 迷宮の岸〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート 風の海 迷宮の岸(下) 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート 図南の翼―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート) 黄昏の岸 暁の天(そら)〈上〉―十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート 黄昏の岸 暁の天(そら)〈下〉―十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート 風の万里 黎明の空〈上〉十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート 風の万里 黎明の空(下) 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート 東の海神 西の滄海 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート 華胥の幽夢(ゆめ)―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)

TIME HACKS

人生は短いから、不平を言ったり言い争ってる時間はないんだよ そんなのは罪だといつも思っていた、だから、 もう一度君に言う 僕のやり方をごらん、時が経てば何が正しいか、間違いだったかをわかる 君にやり方にこだわるなら、遠からず僕らはバラバラになるのにだろう なんてのがあったなぁ…… TIME HACKS! 東洋経済新報社 2006-12-01 売り上げランキング : 1587 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools 古い本でどこかで読んだような話ばかりだけれど、それなりにまとまっている。これも実践している内容だけれど、気に入ったのは「やらないことリスト(Not To Do List)を作る」。 やらないこと、無視するメール、相手にしなくてよい人、これらを手早く見分けることは大事。結構やるべきを過剰にやったりしているケースは多い。内容も過剰だったらまだ救われるけれど、過剰なのはかけた時間だけってケースもよく目にするなぁ。 この中で迷うのは人かな、人は変わるから、面倒だけれど……