今年は母親の入院などで早めの帰省となり毎日暇なので、地元の太子町を巡ってみた。
太子町の由来は聖徳太子の御廟があることから来ている。 現在も一部の地名に残っているが古くは「磯長」といい、6世紀前後の天皇の御陵が多く存在する。日本書紀にも「是の月(推古29年2月のこと)、上宮太子を磯長陵に葬る」とある。
聖徳太子の御陵は、叡福寺というお寺の裏にある。以前は一体のものだったと思われるが、明治以降の宗教政策により今では古墳部は宮内庁管理でお寺と分離されている。創建年代は不明だが、古くより八尾の将軍寺を「下の太子」、野中寺は「中の太子」、叡福寺を「上の太子」と言われ親しまれてきた(最寄り駅は「上ノ太子」という)。
叡福寺と御廟が明らかに一体の施設であることは、太子廟である「お墓」中心であるため大門、中門が中心線より左に外れていること、通常は講堂と言われる施設がこの寺では「聖霊殿」と言われることなどからも伺える。
御廟のほうは、太子と母・間人皇后、妃・膳(かしわ)夫人の合葬墓といわれている。推古と竹田皇子の例のように(推古天皇陵は実は推古の墓でなく推古は植山古墳に葬られているというのが今の通説、宮内庁は認めていないようだが)母系制合葬墓という見方もあるが、殯(もがり)の期間が異様に短いので何か特別な事情(暗殺など)を示唆する学説もあり興味深いところ。驚いたことに、明治12年の修理の際羨道を巨大な石で塞いだため、正確な石室の配置などは不明なこと。宮内庁!
その叡福寺の正面、道路を挟んで中心線を延長したところに西方寺というお寺がある。
現在は浄土宗のお寺だが、聖徳太子の没後に乳母であった月益姫・日益姫・玉照姫(蘇我馬子・小野妹子・物部守屋の娘)が剃髪をして名を善信尼・禅蔵尼・恵善尼と改め、お堂を建立し太子の遺髪を納めて冥福を祈ったのが始まりと言われている。当初は法楽寺と呼ばれていたが、寛永16年(1639)に蓮誉壽性尼が西方院として再興したとされている。本尊の阿弥陀如来像は聖徳太子の作とされている。住職の方は蘇我姓」だったりする。
聖徳太子の乳母、三尼公の御廟がある。浄土宗の寺院で、新西国霊場第八番札所として知られる。この寺は
Appling 2ndの『リピート』 の記事を読んで、面白そうだったので買って読んでみた。 リピート posted with amazlet on 07.04.01 乾 くるみ 文藝春秋 (2004/10/23) 売り上げランキング: 194098 Amazon.co.jp で詳細を見る そもそもタイムスリップものは好きなジャンルであることと、そのタイトルと紹介されていたストーリーから大好きなケン・グリムウッドの『リプレイ』を連想したからだ。実際、作品の中でも時間を繰り返すタイムスリップを突きつけられた時主人公達はケン・グリムウッドの『リプレイ』を引き合いに出して議論を行う場面もあるので、作者がリプレイを意識しているのは確実だろう。 タイムスリップ物というSF的な文法を使いながら、うまくミステリーの要素を融合させ、ちょっぴり恋愛物のスパイスも利かせてうまい具合にまとまった作品になっている。たまたま今回は筋が読めてしまって「やっぱり」って感じもしたが、一般的には二つの要素がかみ合ってうまく最後まで読者を惹きつけるだろう。 帯には" 『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』 "などと銘打ってある。確かに楽しめる作品であるが、ちょっと言いすぎかな。『リプレイ』のオマージュと考えると、以下の点で物足りなさを感じる。 リプレイ(リピート)の期間が短い 『リプレイ』では25年だったリプレイの期間がわずか10ヶ月を遡るだけ。このことで「人生を繰り返す」といっても重みが違ってきている。しかも描かれるのはそのあるサイクルだけだ。 描写される時代 『リプレイ』では自信を失っていた80年代のアメリカから良き時代の60年代、70年代がリプレイで描かれるところが大きな魅力になっている。一方『リピート』では振幅が短いためリピート自体にそういった効果はないが、何故かそもそもの設定は91年となっていて中途半端に懐かしい。 主人公が嫌なヤツ 最初は好青年っぽいがだんだん嫌な面が描かれていく。物語は一人称で綴られているが主人公がそんな状態であるため、読み手としては感情移入がし難い。 とはいえ、結構な長編だが一日で一気に読んでしまったほど面白い。
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