FileMaker Proを8.5から9にアップグレードした。
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主な変更点は、クイックスタート画面、条件付き書式、リンク送信データベース共有機能、PDFに追加、スクリプトのグループ化、レイアウトオブジェクトの自動サイズ変更と言ったところか。
一見地味な機能アップだが、条件付き書式とスクリプトのグループ化はアプリケーションの作成がぐーんと楽になるのでお勧めの機能だ。8.5のままでよいかなと思っている方はぜひ一度評価版でも試してみることをお勧めする。
導入して焦ったのは、アクティベーション機能が追加されていたこと。ライセンス規定を読むと、
あなたは、一度に1台のコンピューターに本ソフトウェアの コピーを1部のみインストールし使用することができます。 本ソフトウェアのWindowsバージョンとMacintoshバージョンの両方が 複数の言語で提供される場合であっても、 第1条(b)項 の場合を除き、あなたには、一度にひとつのプラットフォーム上で本 ソフトウェアのひとつの バージョン(すなわち、WindowsバージョンまたはMacintosh バージョン)をひとつの言語で 使用することのみが許諾されるにすぎません。
となっていて、「うげー、以前8.5では問題なかったのに、職場PCで使うと家のMacで使えんじゃん!」とすっかり早合点。よく読むと「第一条(b)項の場合を除き」となっており、この(b)項は
(b) バックアップ用、携帯用および自宅用の権利。 あなたは、バックアップの目的 のためだけに機械が読み取れる形式にて本ソフトウェアのコピーを1部作成することができま す。また、あなたが本ソフトウェアを職場にて使用している場合に、あなたは、自宅用または 携帯用のコンピュータ1台にあなたのみが使用するためのコピーをもう1部作成することがで きます。本ライセンスの明示的な条件として、あなたは、各々のコピーに、FMIが供給したオ リジナルコピーに示される著作権表示およびその他の財産権の表示を複製しなければなりま せん。
となっていて、以前と変わらず。で、自宅のMacと職場で使うThinkPadに導入したところ、アクティベーションは両方無事完了。あぁ、よかった。
新機能について
クイックスタート画面
以前のバージョンでも起動時似たようなダイアログが表示されていたが、今回追加されたクイックスタート画面はより機能的になっている。
まず、「データベースの作成」は以前とそれほどが変わらない。が、カテゴリーとそこに属するテンプレートが一覧されており、以前のものよりも見通しがよくなった。
「データベースを開く」は、以前は単にファイルダイアログが表示されるだけだったが、9では以前に開いたデータベースの履歴やお気に入りに登録したデータベースなどに簡単にアクセスできるようになっている。前バージョンでは結局この画面を表示しない設定にすぐに変えてしまったが、9ではよく使うデータベースにアクセスできる機能として残しておく価値ありと思う。
条件付き書式
条件により書式を変えたいケースはよくあると思う。たとえば、金額がマイナスになったら、赤字で表示するとかいうケースだ。
これまでのFileMakerだと、データベース定義で計算フィールドで書式設定関数を使って行うことになる。これは2つの点で問題があると感じていた。
- データ自体でなくデータ表示時の設定をデータベース定義に埋め込むため、別のコンテキストで別の書式で表示したいケースでは同じ項目を追加する必要がある。
- レイアウトのみに存在するスタティックテキストなどに変化する書式が設定できない。このため、仕方なくデータベースにレイアウトのみの要素も追加しなければならない
結局いくらFileMakerがイージーなデーターベースと言え、ユーザーインターフェイスに関わる書式をデータベースに突っ込んでいるというのは正しくなく、そのためにいろいろと不具合が出てしまっていた。
今回から、以下のようにレイアウトの設定で書式を設定することができる。このとき、レイアウト上のスタティックテキストなどにも条件付き書式を設定できる。また、条件式自体は、レイアウトを設定しようとしているオブジェクト以外を参照して設定できる。このため、データベースと書式を分離することが可能になったし、非常に柔軟にしかも簡単に書式を設定できるようなった。
スクリプトのグループ化
スクリプトがグループ化できるようになった。グループ化するとスクリプトメニューも階層化して表示される。
この機能はユーザーとしてというより、作り手としてうれしい機能改善だ。FileMakerでちょっとしたアプリケーションを組んでみるとわかるが、裏で動くスクリプトを含めるとあっという間に数十のスクリプトになってしまう。すぐにどこに何を書いたか探し出すだけでも大変な状態になってしまうので、スクリプトのネーミングを工夫し、整理して手動で並べ管理するしかなかった。
9からは上記のグループで機能ごとに括って整理できるようになった。このグループは更にグループの中にグループを作成して階層化できる。これでずいぶんと管理が楽になった。
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