ジャーナリストである主人公が人生をやり直す為に卵子を売ったことが発端となり、ある日身に覚えのない赤ちゃんを託され事件に巻き込まれていく。
ヒロインはなかなかアグレッシブで警察に追われながらも何処までも突き進んで行く。帯封に「我が子を抱いて戦う」とあるが、実際には赤ちゃんは他人に預け、ひたすら自己実現のため手段を選ばず戦っている。この辺りが人物に感情移入できないという書評が多い理由だと思う。が、以前のオフィスにはこのタイプの女性が多かったので、逆にリアリティを感じてしまう。
事件はアホらしいほど突発的に起こり犯人はでたらめに犯罪を重ねて行くが、この辺りのプロットをもう少し練っていればもっとよい話なったかもしれない。赤ん坊の生い立ちはかなり悲惨なもので将来に不安を感じるが、突然目覚めたヒロインの母性がなんとなく後味のよい読後感をもたらしている。これからが大変なんだが……
これも面白くないことはない。うたかたの夜に。
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