久しぶりに読む『しゃばけ』シリーズの第三巻『ねこのばば
』。
最初の頃は大妖の孫、回りのあやかし達などの設定をうまく活用していないなぁという印象だったが、第三巻ともなるとそういうものもすっかり設定として馴染めてしまう。あぁ、シリーズ化とは恐ろしい。映画化も決まったそうだ。
いくつかの短編が収録されている。最初の三編はいつもと印象が違ような気がする・『茶巾たまご』『花かんざし』『ねこのばば』は人の業の深さが描かれ、かえってあやかし達のほうがすがすがしく感じてしまう。これは現代の今の世相にも当てつけた作品かもしれない。『産土』は面白いとは思うが、手法としてはおきて破りだろう。最後に収録されている『たまやたまや』は子供時代から大人になっていく若旦那の青春のエピソードとして描かれている。最後がこういうエピソードでちょっとほっとする。全体としては、いつものように終始「のほほん」とした雰囲気がながれているのだが、ちょっとシリアスな面も描かれていて短編としても読みごたえがでてきたようだ。
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