XEADは (有)ディービーコンセプトの渡辺氏が開発している上流のモデリングツールで、昔の言葉で言うと要件定義から外部設計あたりまでをサポートしてくれる。Javaベースのツールなので、おそらくマルチプラットフォームで稼働できるはず。
他のモデリングツールと異なって、企業業務システムの開発に特化している。このため、Rationalなどの汎用的なモデリングをサポートした開発ツールよりも、企業アプリケーション開発においては的を得ていると思う。
対象のシステムを業務フロー、職務別担当業務、サーバモジュールの3つの視点に区分し設計を進めて行く。今時の言葉で言うと業務フローをビジネスプロセスモデリング、職務別担当者業務をアクターとユースケースと考えると分かりやすい。サーバーモジュールでは画面設計、データベース設計を行う。
今回わたしはお客様先で現行システムの基盤更改というプロジェクトでDB設計支援という関わり方だったので、ボトムアップにサーバーモジュール→職務別担当業務(ユースケース)→業務フローと積み上げて行き、整合性を検証するという使い方を行った。
必要最低限の関連は持たせてあるが、各視点では比較的自由に部品を置いて行ける。業務フローなどは最近のノーテーションでなく、グラフィカルな独自の絵で示される。エンドユーザーにはこの方が分かりやすいだろう。
データベース設計では、項目、キー、リレーションの設定など基本的な設計に必要なものはすべて記述できる。また、機能との関連では項目単位の処理内容を機能ごとに記述できるので、完全なCRUD表を作成できる。各項目は別名が使用できるので、これを利用すると完全なCREATE TABLEのためのDDLも生成してくれる。
Rationalなどのツールと違って、統合的な文書出力はできないが各項目でEXCELへの出力がサポートされている。Rationalなどはフォーマットがお客様に合わないと余計なお世話で終わってしまうが、こちらは必要にして十分な情報が出力されるのでお客様指定の設計文書フォーマットがあっても比較的抵抗なく導入できる。
今回はプロジェクトでどっぷり使わせていただき、全然知識のない業界の初めて見るシステムだったが、ボトムアップで資料をかき集めてXEADにインプットしていくだけで全体の機能と業務との関連やデータベースの全容など比較的早期に頭に入れることができた。
これが、フリーだなんてね。
業務アプリケーション開発に関わるSEの方はぜひ一度お試しください。
コメント
コメントを投稿