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パラレルワールド・ラブストーリー

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)
東野 圭吾
講談社
売り上げランキング: 10476
タイムスリップものと間違えて買った東野圭吾の作品。 毎日東海道本線の電車から、決まって品川辺りで並走する京浜東北線に乗っている女性に恋してしまう主人公。出だしはさわやかに始まるが、その後自身の記憶と異なるフラッシュバックが起こり始め、自身の記憶を疑り始める。ストーリーは、過去に実際にあった事象と、現在の異なる記憶持った主人公がギャップを感じる状況が交互に描かれて行く。 記憶喪失と恋愛、特に三角関係というのは冬ソナなどでも扱われて定番だ。 この手のストリートしては古典的な枠組みだが、新しいのはまず記憶を失った側の視点で描かれていること。通常は、記憶を失っている恋人を見守る主人公という構図なのだが、この本では主人公が記憶を失っている(改ざんされている)。これは新しいパターンかな。ただ、この主人公がジェラシーに燃えいるので感情移入し難いのが難点。この手のストーリーのミソは、ある二人に取って印象的なシーンが記憶を取り戻すときに如何に効果的に使われるかだ。その点では確かに並行に走るJRのシーンなど印象的に描かれている。だが、描かれる三角関係がドロドロしていてちょっと台無しだ。 そして、記憶喪失でなく記憶を意図を持って改ざんされるという設定であること。 この設定にリアリティを持たせるために、いろいろと科学的な用語や設定が持ち出されている。そこはまずまず成功しているように思う。が、これが描かれたのが1995年、もう10年以上前だ。中にフロッピーとか、データを記録したMDなんてのが出てきて笑ってしまった。

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Appling 2ndの『リピート』 の記事を読んで、面白そうだったので買って読んでみた。 リピート posted with amazlet on 07.04.01 乾 くるみ 文藝春秋 (2004/10/23) 売り上げランキング: 194098 Amazon.co.jp で詳細を見る そもそもタイムスリップものは好きなジャンルであることと、そのタイトルと紹介されていたストーリーから大好きなケン・グリムウッドの『リプレイ』を連想したからだ。実際、作品の中でも時間を繰り返すタイムスリップを突きつけられた時主人公達はケン・グリムウッドの『リプレイ』を引き合いに出して議論を行う場面もあるので、作者がリプレイを意識しているのは確実だろう。 タイムスリップ物というSF的な文法を使いながら、うまくミステリーの要素を融合させ、ちょっぴり恋愛物のスパイスも利かせてうまい具合にまとまった作品になっている。たまたま今回は筋が読めてしまって「やっぱり」って感じもしたが、一般的には二つの要素がかみ合ってうまく最後まで読者を惹きつけるだろう。 帯には" 『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』 "などと銘打ってある。確かに楽しめる作品であるが、ちょっと言いすぎかな。『リプレイ』のオマージュと考えると、以下の点で物足りなさを感じる。 リプレイ(リピート)の期間が短い 『リプレイ』では25年だったリプレイの期間がわずか10ヶ月を遡るだけ。このことで「人生を繰り返す」といっても重みが違ってきている。しかも描かれるのはそのあるサイクルだけだ。 描写される時代 『リプレイ』では自信を失っていた80年代のアメリカから良き時代の60年代、70年代がリプレイで描かれるところが大きな魅力になっている。一方『リピート』では振幅が短いためリピート自体にそういった効果はないが、何故かそもそもの設定は91年となっていて中途半端に懐かしい。 主人公が嫌なヤツ 最初は好青年っぽいがだんだん嫌な面が描かれていく。物語は一人称で綴られているが主人公がそんな状態であるため、読み手としては感情移入がし難い。 とはいえ、結構な長編だが一日で一気に読んでしまったほど面白い。

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