きつねうどん発祥の店と言われる松葉家本舗(今は代替わりして「ウサミ亭マツバヤ」になっている)に行ってきた。
別に食い倒れの度に出ているわけでなく、出張中に時間が空いたので早めの昼食だ。
心斎橋で地下鉄御堂筋を降りて、本町方向に少し歩く。
テレビや雑誌でも取材が入るような店なのに、なんだかその辺のうどん屋さんと変りない。店の正面にかって石臼だったと思しきものや何か石の道標が無造作に置いてあったりするあたりが、歴史ある?店っぽくはある。昼は混むらしいが、11時の開店直後だったのでまだ3人くらいしか客はいない。l
早速注文してやってきたきつねうんどんは普通のきつねうどん。関西風にしては少し濃い色のつゆにきつねとかまぼこ、ねぎが乗せてあるだけ。そこにゆずの皮が一かけ。つゆをすすれば薄味醤油とみろん、だしのハーモニーでグルタミン酸全開。きつねは結構厚みがあるタイプで、つゆに負けない甘みと辛みでしっかりした味つけでつゆともマッチしている。あー、美味しかった。満足、満足。
メニューを見ると、『おじやうどん』ってのもあって定番らしい。うどんにご飯も入って煮込んでおじやのようになっているものらしい。他の客3人のうち2人はそれを食べている様子。むーん、今度試してみよう。
最近讃岐うどんが流行っているが、あちらが麺にこだわって極めたようなイメージなのに対して、このうどんは対局にあるように思う。麺もきつねも素材はとってもシンプルで普通、びっくりするような美味しさではない。でも気取らず「ちょっと寒いからうどんでもすするか」って感じで毎日食べても、また食べたくなる味だろう。「100の技術をもって85点くらいの味を出さんとあきません」 とは先代の宇佐美辰一さんの言葉。渋い。無造作にレジの奥に吊ってある「天味無限」と言葉が目についた。「天然の味は無限なんです」という意味らしい。
今度、先代の口述を本にしたという「きつねうどん口伝 (ちくま文庫)」を読んでみようと思った。
ウサミ亭マツバヤ大阪府大阪市中央区南船場3-8-1
TEL:06-251-3339
筑摩書房 (1998/10)
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