Objective-C、それにAppleのApplication FrameworkであるCocoaはマイナーな開発ツールだ。AppleのDevelopers Connectionでは詳細なドキュメントが出ているが、やはりリファレンス的なものが多く、これから学ぼうという人にはなかなか最初はハードルを感じてしまうだろう。
やはりまとまった書籍の解説書や入門書があればと思い探したので入手した範囲で紹介を。
わたしが入手した、またはおすすめなのは以下の4書。
まず、現在日本語で入手できる書籍では、わたしが探した範囲では『たのしいCocoaプログラミング』くらいしか見つけることができなかった。
この本はとてもわかりやすくCocoaでのプログラミングが解説されていて、最初の取っ掛かりとしては最適だ。しかし入門編ということでかなり内容も絞られており、体系的に学ぼうとするとかなり物足りない。また、10.5でXCODEやObjective-Cにも手が入ったが、それの情報が反映できていなかったりする。
Sams
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結局洋書に頼ることになり、最初に入手したのが『[Programing for Objective-C][]』。
この本はCocoaよりも言語としてのObjective-Cに力点がおかれている。これは本書のよい点だ。Objective-Cの解説本だと勢いMacでのアプリケーション開発という観点で書かれていることが多く、説明がCocoaと渾然一体となっている。Objective-C自体については何となくイディオムで覚えながら「そんなものか」となし崩し的に覚えてしまうパターンの人が多いと思うが、これを最初に読んでおくと安心できる。
Objective-C自体はオブジェクト指向的な部分の抜いてしまうとC++と違ってほとんどそのままC言語なので、説明の半分はC言語の説明になっている。あとはObjective-Cのオブジェクト指向的な拡張部分と、それらと切り離せないFoundationフレームワーク、ランタイムも含めた解説が続く。従って、Xcodeなどの説明もなく、サンプルコードもコマンドラインベースのものが中心。おそらく、GCC + GNUstepなどでも動作すると思うのでMacじゃない方でも試してみることができる。
難点はC言語の部分。かなりページを割いているのでマスターした人には怠いかもしれない。わたし自身はかなりの年月純粋なC言語に触っていないので復習には丁度よかったが……
Addison-Wesley Professional
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次にCocoaやXCodeなどについての資料が欲しくなる。購入したのは『Cocoa Programing for Mac OS X』。
まだ今月発行されたばかりの本で、当時は日本のAmazonで扱っていなかったので、USのAmazonで購入(予約となったのでDiscountが結構付いたので安かった)。
この本は一転してObjective-C自体はほとんど前提になっていて、Cocoaをほぼ漏れなくカバーした内容となっている。しかも第3版で出版されたばかりなので、内容も最新のバージョンに対応して刷新されており非常に頼もしい。
しかも、テーマを絞った多くの章で構成されており各章は非常にコンパクトなので、1時間程度で内容を確認しサンプルコードを入力して動作確認し、一通り例題っぽい内容も自身で試してみることができる。サンプルコードもダラダラとコードが掲載されているのでなく、キーとなる部分に絞って掲載されており読みやすい。要点を絞った解説と適切なダイアグラムでほとんどの場合自分でコードを再現できるし、難しい場合は完全なコードをダウンロードできるWebサイトも用意されている。
もっとも、今のところおすすめの解説本だ。
ソフトバンククリエイティブ
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さて、最後に、今月末にリリース予定の『[詳解Objective-C 2.0]』
以前の版が入手できなかったので内容を確認できていないが、おそらく日本語ではもっと充実した解説書と思われる。先の2冊に加えて買う価値があるかどうか微妙なところだが、どうしても日本語でという方は待ちましょう。
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