iTune-LAMEを導入してみた。
iTuneのMP3のエンコーダがあまりにプアなのでiTuneで使えるMP3エンコーダをいろいろと探していた。が、どれも設定やインストールが面倒で結局手を出さずにそのままにフォーマットはAACに移行してしまっていた。iPod、iTuneで使用している分にはAACで全く問題ないが、フォーマットの汎用性という意味ではMP3も捨てがたいものがあるのは確か。で、たまたまこのiTune-Lameを見つけて試してみた。
インストールも簡単で、ダウンロードしたパッケージを解凍して、iTuneのプラグインのフォルダに放り込むだけ。パッケージにはプラグインフォルダへのショートカットも納められているので迷うこともない。しかも、LAMEもパッケージに納められていて、自分でビルドしたり他からダウンロードしてくる手間もいらない。添付しているのは現時点で最新の問題ない安定板3.95.1(3.96はバグ含み)。
インストールするとiTuneのスクリプトメニュに"Import with LAME"というメニューが追加される。エンコードするにはこれを選択すればよいだけ。オプションを指定する画面になり、指定が終わるとそのままエンコードが始まる。デフォルトでは"--alt-preset standard"が設定されている。私の場合、Windowsの頃に使っていた"--alt-preset extreme -q0 -V0 --interch 0.0005"を指定。
それぞれの意味は、
- alt-preset
- LAMEの開発者たちの設計による高音質追求オプション。extremeはstandardよりも少し贅沢に。このpresetを使わないとLAMEを使う意味がない。
- -q
- 原音に対するエンコードの忠実さの指定、つまりエンコードのクォリティ。 0では、Lameに搭載されている最も精度の高い心理音響モデルのアルゴリズムが使われる。ただし、エンコード時間が長くなる欠点がある。高音が伸びやかになるが中域が薄くなるというレポートもあるようだ。presetでは、-q 2(=-h)が使われている。
- -V 0
- 可変ビットレート判定のクオリティの指定。0で、最も高精度にビットレートを判定する。Presetは、デフォルトで-V 2を使っている。
- --interch 0.0005
- 片側のチャネルで大きな音が鳴ると、頭蓋骨からの共振で反対側の耳に入り反対側の音が聞こえにくくなる現象を緩和するフィルター。聴感上の音質が向上する、しかし逆にステレオ感が失われる場合もある。
結果的には満足のいく音質。普段使っているAAC224Kbpsと比較してもほとんど遜色ない。ファイルサイズは若干大きめ(平均ビットレートが同等かまでは見ていない)になるが、AACよりも若干ライブな感じはする。もっともここまで高ビットレートにすると、私の貧相な耳では区別できない。
ただ、エンコードは鬼のようにかかる。AACでは普通のCDで10分程度だと思うが、LAMEではたっぷり1時間以上かかった。これはつらい。
結局、音的にはほとんど互角だとして、LAMEのいろいろと設定を変更できる楽しさと汎用性があのエンコード時間に見合うかという問題のようだ。「汎用性」とかいいながらMacではiTune、外ではiPod、おまけにiPod Shuffleも買おうかというAppleの囲い込まれた生活をしている私には、Apple Audio Coding(AAC)で十分なようだ。(嘘ですよ、AAC=Advanced Audio Coding)
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