Weblog『二条河原落書』からTrackbackをもらって知ったが、一澤帆布が相続争いの影響で実質的に製作を行っていた一澤帆布加工所が工場明け渡しのため製作を中止せざるを得ない状況に至ったらしい。
相続で揉めていたのは知っていたけれど、ここまで深刻に揉めていたとは。
「一澤帆布加工所スタッフからのお知らせ」による簡単に経緯をまとめると、一澤帆布は三男の信三郎氏が父親と運営していたが、その父親が亡くなった後銀行員を退職した長男と以前工房を辞めた次男が一澤帆布工業の株式の相続権があることを信三郎氏が預かっていたものとは別の遺言状を持ち出して主張した。最高裁まで争った結果信三郎氏が敗訴し、経営権を握った長男と次男に信三郎氏は一澤帆布工業の社長を解任され別会社としていた製造部門一澤帆布加工所で製作を続けていた。今回は一澤帆布工業からその工房明け渡し要求により製作業務を休止せざるを得なくなったらしい。
以前万年筆でやり取りしたイラストレータの古山浩一氏も信三郎氏を応援されている。
家族の事情など他人がどうこういう話ではないだろうし信三郎氏からの主張しか目にしていないので、どちらの主張が妥当なのかを簡単に主張すべきではないと思う。しかし、経営状態の危なかった一澤帆布をここまでにした実績、大量生産の時代に職人と品質にこだわり製造直販を貫いたわたしが愛したポリシー、一方で製作など多分知らないだろう銀行員という経歴で一澤帆布の経営権を主張する兄、どちらが「真っ当」かは言わずもがなだと思う。実際、仕入れ元など取引先には一澤帆布工業のほうはまったく相手にされておらず、職人もすべて一澤帆布加工所に転籍したらしい。顧客無視の今回のやり方などを見ても、ユーザーとしてどちらを応援したくなるかは明らかだろう。
信三郎氏には、是非ともがんばって再開してほしいものだ。たとえ、ブランド名が変わろうとも応援しますよ。
(参照)
一澤信三郎さんを応援する会
《2006-03-04 追記》
shuiroさんのところの記事によると販売のほうも営業されているようだ。どっちの会社だろう?
また、「一澤信三郎さんを応援する会」のからご丁寧な返信をいただいた。
この度の事に驚き憤りを感じ、準備不足のまま「応援する会」を立ち上 げました、素人集団の為皆様のご期待に十分にお答えできないかと思い ますが、このページで出来る限り新生一澤をお知らせしていこうと思っ ております。
新しい組織で今までと同じカバンを作っていこうと結束を固めている社 長と職人さんをどうぞよろしくお願いします。
吉田様のメールはプリントアウトして全従業員に見せます。
必ず彼らの力になります。
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