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舞い降りた天皇

舞い降りた天皇』いわゆる歴史ミステリー。
歴史について独自視点で新たな仮説と推理で歴史上の謎に新たな結論を導きだ して行く。その過程が小説上に登場する架空の小説家に仮託して展開されてい く。本当はこういった形式の小説は好きではないのだけれど……

内容は邪馬台国から大和朝廷成立までの過程の謎に迫っている。学校で習う歴 史では確かに邪馬台国から一気に、いつの間にか大和朝廷が成立していたこと になっていて飛躍している感があったが、その間の過程を埋める考証がなされ ている。

魏志倭人伝や古事記/日本書紀を中心に資料を検証し、出雲、福岡、奈良の三 輪山、伊勢神宮などのフィードワークも交えての推論が展開される。天皇家の 由来や縄文/弥生の区別、縄文人とサンカとの関連など、その仮説は驚くほど 大胆だが非常に説得力がある。特にわたしは先日たまたま読んだ『 宗像大社・古代祭祀の原風景』の内容と関連していて、「なるほど!」と うなってしまった。

これを読むと、対馬の現状について「このままでいいんかい!」という気持ち 半分、「元はと言えば……」とか複雑な気持ちになる。

ただ、小説という形を取っているところはどうしても好きになれない。歴史の 推理の部分はともかく、この小説としてのストーリーはかなり噴飯もの。老人 の夢みたいなものだね。

舞い降りた天皇(上)
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3 前作と比較すると
5 一気に読み、頭の中はタイムスリップ
4 我が国の成り立ちが想起できる内容です。おすすめ!
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Appling 2ndの『リピート』 の記事を読んで、面白そうだったので買って読んでみた。 リピート posted with amazlet on 07.04.01 乾 くるみ 文藝春秋 (2004/10/23) 売り上げランキング: 194098 Amazon.co.jp で詳細を見る そもそもタイムスリップものは好きなジャンルであることと、そのタイトルと紹介されていたストーリーから大好きなケン・グリムウッドの『リプレイ』を連想したからだ。実際、作品の中でも時間を繰り返すタイムスリップを突きつけられた時主人公達はケン・グリムウッドの『リプレイ』を引き合いに出して議論を行う場面もあるので、作者がリプレイを意識しているのは確実だろう。 タイムスリップ物というSF的な文法を使いながら、うまくミステリーの要素を融合させ、ちょっぴり恋愛物のスパイスも利かせてうまい具合にまとまった作品になっている。たまたま今回は筋が読めてしまって「やっぱり」って感じもしたが、一般的には二つの要素がかみ合ってうまく最後まで読者を惹きつけるだろう。 帯には" 『リプレイ』+『そして誰もいなくなった』 "などと銘打ってある。確かに楽しめる作品であるが、ちょっと言いすぎかな。『リプレイ』のオマージュと考えると、以下の点で物足りなさを感じる。 リプレイ(リピート)の期間が短い 『リプレイ』では25年だったリプレイの期間がわずか10ヶ月を遡るだけ。このことで「人生を繰り返す」といっても重みが違ってきている。しかも描かれるのはそのあるサイクルだけだ。 描写される時代 『リプレイ』では自信を失っていた80年代のアメリカから良き時代の60年代、70年代がリプレイで描かれるところが大きな魅力になっている。一方『リピート』では振幅が短いためリピート自体にそういった効果はないが、何故かそもそもの設定は91年となっていて中途半端に懐かしい。 主人公が嫌なヤツ 最初は好青年っぽいがだんだん嫌な面が描かれていく。物語は一人称で綴られているが主人公がそんな状態であるため、読み手としては感情移入がし難い。 とはいえ、結構な長編だが一日で一気に読んでしまったほど面白い。

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